日本の高齢者ケア  
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2007-2-23 ネストベッツ   
東洋大学 教授 渡辺裕美   
日本の高齢者ケア

 日本とデンマーク 高齢化比較
日本の人口:127,760,000人 65歳以上人口:26,820,000人(20.1%) (2005年国勢調査)
デンマークの人口:5,397,640人 65歳以上人口:804,576人(14.9%) (2004年1月1日)
 65歳以上の人がいる世帯の類型
 長期介護高齢者が増えている (寝たきり・認知症者・要支援者)
 長期介護高齢者が増えている (寝たきり・認知症者・要支援者)
 居宅サービス
自宅、認知症グループホーム、小規模多機能ホーム、有料老人ホーム、ケアハウス
  • ホームヘルプサービス
  • 訪問看護
  • デイサービス
  • ショートステイ
  • 訪問入浴
  • リハビリテーション
  • 居宅療養管理指導
  • 認知症グループホームケア
  • 住宅改修
  • 福祉用具 など (※配食サービスは介護保険外)
  •  施設サービス
  • 介護老人福祉施設
  • 介護老人保健施設
  • 介護療養医療施設
  •  ケアサービスについて考えるとき ー日本とデンマークの違いー
  • 家族介護への幻想、それが一番と願っている
  • 家族と暮らしている高齢者が多い。デンマークでは家族介護というと夫婦が互いを世話することを意味するが、日本では子供や息子の嫁が介護することを意味する。
  • 住居が狭く、介護しているとあつれきが生じやすい。寝室も共有していることが多い。
  • 要介護となっても風呂が大好き。
  • 食事、日本食、麺、洋食、いろいろ食べる。
  •  介護老人福祉施設 けんちの里
      

  • 玄関で靴を脱ぐ 畳でくつろぐ
      

  • 檜のお風呂もある
      

  • リビング・4人部屋
      

  • スタッフルーム・トイレ
      
  •  日本における24時間ホームケア
  • 介護保険サービス のシステム上では24時間ホームケアが行われるようになっている。
  • しかし、実情は、訪問介護事業所の多くは日中サービス提供しているにすぎない。
  • 早朝や夜間に稼働しているところは少ない。
  •  訪問介護 の介護報酬 サービス時間区分(1Dkr20円として換算)
  • 日中(朝8時〜18時)30分   2310円=115DKr
  • 早朝(朝6時〜朝8時)30分   2890円=144Dkr
  • 夜間(18時〜22時)30分   2890円=144Dkr
  • 深夜(22時〜朝6時)30分   3470円=173Dkr
  •  B市 人口113974人
     自治体B 夜間訪問介護利用者数
     夜間帯の訪問介護の利用率 −本調査・他参考データ・デンマークの比較−
     早朝(6−8時)平日 訪問介護実施 45%
     早朝(6−8時)土曜日 訪問介護実施 40%
     早朝(6−8時)日祝 訪問介護実施 30%
     夜間(18:00 −22:00)日祝 訪問介護実施率 37%
     深夜(22−6時)日祝 訪問介護実施 15%
     パレ・フローラ訪問介護事業所
  • 24時間365日ホームヘルプサービスを行っているパイオニア的存在の事業所である。
  • サービスの品質管理に努め、登録ホームヘルパーは事業所から訪問し、事業所に帰って利用者の様子を報告する運営にしている。
  •  サービスエリアが混在する問題
  • 東久留米市の人口 113974人
  • そこに、訪問介護事業所が26ある。 事業所のサービスエリアは混在している。訪問ルートに無駄が多い。
  •  パレフローラ事業所概要
  • 利用者数124名
  • サービス提供責任者  常勤4名(介護福祉士4名)
  • ホームヘルパー  登録35名(介護福祉士16名、ヘルパー1級1名、2級18名)

  • パレフローラの事務所 ユニフォーム着用
      

  • 今日誰がどこに行くか訪問を色用紙でコントロール
      

  • パソコン/自転車で訪問
      

  • 入浴介助時の服装 感染予防対策
      

  •  ホームヘルプ開始の流れ
     パレフローラの24時間体制
  • 日中の体制(7:00−18:30)
    約20名のヘルパー 66件訪問
    自転車・バイク・車で移動
  • 夜間体制(18:30−7:00)
    2名のヘルパー
    一晩に14件訪問 車1台で移動
  •  夜間対応型訪問介護の開始
  • 2007年4月開始
  • 対象者 要介護1以上の人
  • サービス時間 22:00−6:00
  • アラーム端末を押すとオペレーションにつながり、ホームヘルパーが随時訪問。
  •  夜間対応型訪問介護の料金
  • 基本料金
    アラーム対応 + オペレーションサービス 1ヶ月10000円(500DKr)
  • 随時訪問介護の料金
    随時訪問 1回 5800円(290DKr)
  •  夜間対応型訪問介護 アラーム+随時訪問介護
     はるみ訪問介護ステーション
      

  • 東京都 中央区
  • 24時間ホームヘルプサービス(1988年)
  • 夜間対応型訪問介護(2007年4月)
  • 特養にオペレーション機能をおき、2つの夜間サービスを統合して運営
      日中 7:00−15:15
      夜勤 15:15−8:15 (2hours break for sleeping)

  • アラーム 訪問用の車
      

  • 休憩室・ 携帯する保温おしぼり
      

  •  介護職の養成教育
  • 介護福祉士(国家資格) 1650時間→今後1800時間へ
  • 介護職員基礎研修 500時間
  • 1級ヘルパー 230時間
  • 2級ヘルパー 130時間
  • 3級ヘルパー 50時間
  •  介護福祉士
     結語
    日本における24時間ホームケアを推進する

    包括的なケアを提供するしくみが大切である。 (サービスを個々バラバラに提供するのではなく)

    日本とデンマークでは、基盤となるケアサービスのしくみも文化も異なるが、私たちは、同じ対人援助を行なうスタッフ・仲間である。私たちは同じ専門性を持っている。

    未来へ向けて互いの歩みをすすめましょう。